ひろぽんの「食の備忘録」

食ログとして食べたものを記録していきます。特に美味しかったお店や美味しい物について特筆します。

食の備忘録 #100: にし邑(東銀座)「絶品ロースカツを味わう」

記念すべき食の備忘録100回目ということで、これまで暖めてきた1店を紹介することにする。東銀座に店を構えるとんかつ屋のにし邑である。狭いながらもカウンター席が十数席あり、かなりの確立で行列を成している人気店である。

いかにとんかつが旨いかは後述するとして、この店のサービスレベルの高さも記しておきたい。細かいところにも気が利く店員が、リズムよく注文を捌く姿は小気味良い。値段はそこらのランチと比べると高めであるが、品が良いのでもっと高くても十分客が付くレベルにある。

基本はロースカツであるが、同程度オーダーがあるのがヒレカツ。カツ煮などの一手間加えたメニューも用意があり、夏場はとんしゃぶがメニューに並ぶなど飽きさせない工夫も見られる。油っぽさが気になる人がヒレカツ、そうでなければロースカツがお奨めである。

2016年11月上旬訪店

にし邑は少々高めなのでおいそれといけないのだが、がっつと食べたいときには筆頭候補である。この日もそんな気分であったのでにし邑へ赴いた。店の前に客の姿はなし。

しかし、この店は店の中で客を待たせるので油断できない。入り口から中を窺うことにする。案の定、前客が待っている。数人であったので仕方なしと並ぶことにした。

中に入ると、すかさず「今日は何にしますか?」と声がかかる。先にオーダーする形式である。上ロースを注文する。通常のロースと上ロースは気分で変えるが、迷ったら上ロースを勧める。

しばらく後、席が空いたので座る。と、ほどなくとんかつが出てくる。

大判のとんかつと山盛りキャベツ、ご飯に豚汁である。上ロースには岩塩が付いてくるので、岩塩がよければ上ロースを注文すべし。ソースと岩塩どちらで食べるかは完全に好みである。

さて、今日のカツの上がり具合はというと

合格である。ピンクがかった肉厚の断面でいかにも旨そうである。最初は岩塩をかけ味わう。ソースよりも素材の味、豚肉の旨みが際立つ。この一切れでご飯半分くらいはいけるほど旨い。次いでソースで味わう。ソースの方がやはりとんかつを食べているという気分にしてくれる。

合間にきゃべつと豚汁を挟む。豚汁がまた旨い。このとんかつについてくるのが惜しいほどである。惜しいというのは、極上のとんかつに付いてくるので若干くどいと感じることがある。主役はとんかつなので、汁物はもう少し控えめであった方がよいというところであろうか。

初めてここのとんかつを食べたときは、余りの旨さに感激し涙したものであった。当然物を食べて涙したのはここが初めてである。最後の晩餐などというものがあるとすれば、迷わずにし邑の上ロースである。

ロースカツ1100円、上ロースカツ1400円と銀座ランチにしても若干高めであるが、とんかつは元々少々高めの値段設定がされる物であるし、個人的にはもっと高くてこれ以下のとんかつ屋はいくらでもあるので、コスパは良いと思っている。ぜひ一度ご賞味あれ。